ソーシャルエンジニアリングとは、人間同士の信頼関係を悪用して情報を収集したり、不正アクセスを行う手法のことです。近年では、IT化が進んだことにより、ソーシャルエンジニアリングが悪用される事例が増えています。本記事では、ソーシャルエンジニアリングについて、その手法や事例、防止方法について解説します。
目次
ソーシャルエンジニアリングとは
ソーシャルエンジニアリングは、攻撃者が人間同士の信頼関係を悪用して、不正行為を行う手法のことです。具体的には、電話やメール、SNSなどを通じて、相手に対して偽装したり、誘導したりすることで、情報を収集したり、不正アクセスを行ったりします。
ソーシャルエンジニアリングの手法
ソーシャルエンジニアリングの手法は多岐にわたりますが、主なものを以下に紹介します。
フィッシング
偽装したメールやウェブサイトを使い、相手に情報を入力させたり、不正なプログラムをダウンロードさせたりする手法です。偽装がうまくいけば、相手は本物と思い込み、不正な行為を行ってしまう可能性があります。
プリテキスト
相手に対して、正当な理由があるように振る舞い、情報を収集する手法です。例えば、IT部署の社員を装って、社員のパスワードを聞き出すなどがあります。
セールスキング
商品やサービスを売り込むことで、相手の信頼を得ることで、情報を収集する手法です。この手法では、相手に対して、自分が役立つ存在であるとアピールすることが重要です。
バイトレキング
アルバイトやパートの求人を装い、応募者から個人情報を収集する手法です。求人情報があることで、応募者は安心感を持ち、個人情報を提供してしまう可能性があります。
ソーシャルエンジニアリングの事例
ソーシャルエンジニアリングは、様々な場面で悪用されています。その一例を以下に紹介します。
メールによるフィッシング
偽装したメールを使って、相手に偽の情報を入力させたり、不正プログラムをダウンロードさせる手法があります。具体的には、偽装した金融機関のメールを送信し、相手にパスワードや口座情報を入力させ、それを不正に利用するケースがあります。
SNSを利用したプリテキスト
SNSを使い、特定の人物を誘導し、個人情報を盗み出す手法があります。具体的には、FacebookやTwitterなどのSNSを利用し、特定の人物を探し出し、友達申請を送り、相手とコミュニケーションをとりながら、プリテキストを用いて情報を盗み出すことがあります。
電話によるセールスキング
電話を使って、商品やサービスを売り込みながら、相手の情報を収集する手法があります。具体的には、偽装した営業担当者が、相手に自社の商品やサービスをアピールし、情報を聞き出すことがあります。
ウェブサイトを利用したバイトレキング
ウェブサイトを作成し、アルバイトやパートの求人を装い、応募者から個人情報を収集する手法があります。具体的には、求人情報を掲載し、応募者に個人情報を入力させることで、情報を盗み出すことがあります。
ソーシャルエンジニアリングの防止方法
ソーシャルエンジニアリングを防止するためには、以下のような対策が必要です。
注意喚起の徹底
社員に対して、ソーシャルエンジニアリングの手法や事例を教育し、注意喚起を徹底することが必要です。また、メールやSNSなどを利用する場合には、常に偽装されたものがないか、注意深く確認するように指導することも重要です。
セキュリティの強化
社内のセキュリティを強化することで、ソーシャルエンジニアリングを防止することができます。具体的には、パスワードの強化や、不正アクセスを監視するシステムの導入などが挙げられます。
情報の制限
社員がアクセスできる情報を制限することで、情報漏れを防止することができます。特に、機密性の高い情報については、必要最低限の人員にしかアクセスを許可しないようにすることが望ましいです。
二段階認証の導入
パスワードだけでなく、二段階認証の導入によって、アカウントの不正アクセスを防止することができます。具体的には、SMSによる認証や、アプリを利用した認証などがあります。
定期的なセキュリティ研修
社員に対して、定期的にセキュリティ研修を行うことで、ソーシャルエンジニアリングに対する警戒心を高めることができます。また、最新のセキュリティ情報についても把握しておくことが重要です。
まとめ
ソーシャルエンジニアリングは、人間同士の信頼関係を悪用して、不正行為を行う手法のことです。フィッシングやプリテキストなど、多様な手法が存在し、様々な場面で悪用されています。しかし、注意喚起の徹底やセキュリティの強化などの対策によって、ソーシャルエンジニアリングを防止することができます。社員の教育やセキュリティ対策の強化など、定期的に取り組むことが重要です。
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