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カプセル化?継承?オブジェクト指向ってどんな概念?わかりやすく解説します

オブジェクト指向プログラミング(Object-Oriented Programming: OOP)は、コンピューターサイエンスにおいて広く使われるプログラミングパラダイムの1つです。OOPは、プログラムをオブジェクト(事物)の集合体として考え、それらのオブジェクト間で相互作用を行うことによってプログラムを構築します。この記事では、オブジェクト指向について、概念的な説明から具体的な例まで、わかりやすく解説します。

1. オブジェクト指向の概念

オブジェクト指向プログラミングの中心概念は、「オブジェクト」と「クラス」です。オブジェクトは、現実世界の事物や概念を表し、そのオブジェクトが持つデータ(属性)や行動(メソッド)をプログラム内に表現することができます。クラスは、オブジェクトの設計図のようなもので、同じ種類のオブジェクトを作成するために使用されます。クラスには、オブジェクトが持つ属性やメソッドが定義されています。

2. カプセル化

オブジェクト指向プログラミングでは、カプセル化という概念が重要です。カプセル化とは、オブジェクトの内部状態を外部から隠蔽することです。つまり、オブジェクトの属性に直接アクセスできないようにすることで、オブジェクトが意図しない状態になることを防止します。このようにすることで、オブジェクトの不正な利用を防ぎ、安全性を高めることができます。

3. 継承

継承とは、既存のクラスから新しいクラスを派生させることです。派生したクラスは、元のクラスの属性やメソッドを継承することができます。これにより、既存のクラスを拡張したり、新しいクラスを簡単に作成したりすることができます。継承は、コードの再利用性を高めるのに役立ちます。

4. 多様性

多様性とは、同じインターフェースを持つ複数のクラスが存在することを言います。これにより、同じインターフェースを持つ複数のクラスが存在する場合、プログラム内でそれらのクラスを同じように扱うことができます。例えば、鳥や犬など、異なる種類の動物がいる場合、それらの動物が鳴くことができるという共通のインターフェースを持つことができます。この場合、動物クラスを作成し、それを鳥クラスや犬クラスが継承することができます。そして、動物クラスに鳴くメソッドを定義し、犬クラスや鳥クラスにも同じように鳴くメソッドを定義することができます。このようにして、異なる種類の動物を同じように扱うことができます。

5. ポリモーフィズム

ポリモーフィズムは、多様性を実現するための概念で、異なるクラスが同じメソッド名を持つことができるというものです。ポリモーフィズムにより、同じインターフェースを持つ複数のクラスがある場合に、そのクラスを同じように扱うことができます。例えば、鳥クラスと犬クラスがあり、それぞれが鳴くメソッドを持っている場合、プログラム内でそれらを同じように扱うことができます。つまり、動物クラスを作成し、それを継承した鳥クラスと犬クラスには、同じ鳴くメソッドを定義することができます。そして、プログラム内で動物クラスを使って、鳥クラスや犬クラスを同じように扱うことができます。

6. オブジェクト指向の利点

オブジェクト指向プログラミングの利点は、以下のようなものがあります。

  • コードの再利用性が高い:継承や多様性を使うことにより、コードの再利用性が高まります。
  • メンテナンスが容易:オブジェクト指向プログラムは、カプセル化されているため、変更が容易に行えます。
  • オブジェクト単位でプログラムが理解しやすい:オブジェクト指向プログラムは、オブジェクト単位でプログラムを理解することができるため、コードの読みやすさが向上します。
  • プログラムの拡張性が高い:オブジェクト指向プログラムは、新しいクラスを継承したり、新しいクラスを作成したりすることで、拡張することができます。
  • プログラムの信頼性が高い:オブジェクト指向プログラムは、カプセル化されているため、不正なアクセスができないため、プログラムの信頼性が高まります。

オブジェクト指向の欠点

オブジェクト指向プログラミングの欠点は、以下のようなものがあります。

  • 初期学習コストが高い:オブジェクト指向プログラミングは、初期学習コストが高いため、初めて学ぶエンジニア志望の方にとっては学習のハードルが高いという欠点があります。
  • プログラムの実行速度が遅い:オブジェクト指向プログラムは、メモリ使用量が多いため、プログラムの実行速度が遅いという欠点があります。
  • 過度なカプセル化が問題になることがある:カプセル化は、プログラムの信頼性を高めるための重要な概念ですが、過度なカプセル化は、プログラムの拡張性を低下させることがあります。

まとめ

オブジェクト指向プログラミングは、プログラムをオブジェクト単位で設計する方法です。オブジェクト指向プログラミングでは、クラス、オブジェクト、継承、カプセル化、多様性、ポリモーフィズムなどの概念があります。オブジェクト指向プログラミングは、コードの再利用性が高く、メンテナンス性が良く、プログラムの拡張性が高いという利点がありますが、初期学習コストが高い、プログラムの実行速度が遅い、過度なカプセル化が問題になることがあるという欠点もあります。しかし、オブジェクト指向プログラミングは、現在のプログラミングの主流となっており、多くの言語がオブジェクト指向プログラミングをサポートしているため、エンジニアとして働いている方も目指している方も必ず知っておきたい重要な概念です。

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