DDoS攻撃とは、大量のトラフィックを送信することによって、攻撃対象のサーバーを停止させる攻撃です。DDoS攻撃は、近年ますます増加しており、企業や組織にとって重大な脅威となっています。本記事では、DDoS攻撃について、その仕組みや被害、そして対策について解説します。
目次
DDoS攻撃とは何か?
DDoS攻撃(Distributed Denial of Service)は、ネットワークやサーバーへのトラフィック(アクセス)を増やし、正規のアクセスが受け付けられなくする攻撃手法です。攻撃者は複数のコンピューターを制御し、それらを協調して攻撃対象のサーバーに対してトラフィックを送信します。このため、攻撃対象のサーバーは、増加したトラフィックに耐え切れず、正規のアクセスを受け付けられなくなってしまいます。DDoS攻撃は、攻撃者によってコンピューターウイルスなどのマルウェアを使って感染したコンピューター(ボットネット)を用いて実行されることが一般的です。
DDoS攻撃の種類
DDoS攻撃には、次のような種類があります。
ICMP Flood攻撃
ICMP(Internet Control Message Protocol)と呼ばれるネットワーク制御プロトコルを使って、攻撃対象のサーバーに不正なトラフィックを送信する攻撃手法です。
UDP Flood攻撃
UDP(User Datagram Protocol)と呼ばれるプロトコルを利用し、攻撃対象のサーバーに不正なトラフィックを送信する攻撃手法です。
SYN Flood攻撃
TCP(Transmission Control Protocol)と呼ばれるプロトコルを使って、攻撃対象のサーバーに大量のTCP接続を開こうとする攻撃手法です。
HTTP Flood攻撃
HTTP(HyperText Transfer Protocol)と呼ばれるプロトコルを利用し、攻撃対象のサーバーに大量のHTTPリクエストを送信する攻撃手法です。
Slowloris攻撃
HTTPプロトコルを利用し、攻撃対象のサーバーに対して少しずつデータを送信して接続を維持しつつ、攻撃対象のサーバーを混乱させる攻撃手法です。
DDoS攻撃の手法
DDoS攻撃には、次のような手法があります。
ボットネットの利用
攻撃者は、インターネットに接続された複数のコンピューターをコントロールすることができるマルウェアを使用し、これらのコンピューターを制御下に置いてボットネットを形成します。攻撃者は、ボットネットを使用して攻撃対象のサーバーにトラフィックを送信します。
ゾンビマシンの利用
攻撃者は、攻撃対象のサーバーに接続している複数のコンピューターを、攻撃に使用するために乗っ取ります。攻撃者は、これらのコンピューターにトロイの木馬などのマルウェアをインストールし、コンピューターを制御下に置いて、攻撃対象のサーバーにトラフィックを送信します。
Amplification攻撃
攻撃者は、攻撃対象のサーバーに対して、大量のデータを送信することができるサーバー(DNSサーバーやNTPサーバーなど)を利用して、攻撃対象のサーバーに送信されるトラフィック量を増加させます。
DDoS攻撃の被害
DDoS攻撃は、次のような被害を引き起こすことがあります。
サービスの停止
攻撃対象のサーバーがトラフィックに耐え切れず、正規のアクセスを受け付けられなくなるため、サービスの停止が発生します。これは、オンラインショッピングサイトや金融サービスなどのウェブサービスにとって深刻な問題と言えます。
データの漏洩
攻撃者は、DDoS攻撃を使用して、攻撃対象のサーバーに不正にアクセスすることができます。攻撃者は、これによって、個人情報や機密情報などの重要なデータを盗み出すことができます。
リソースの浪費
DDoS攻撃は、攻撃対象のサーバーに大量のトラフィックを送信するため、サーバーのリソース(CPU、メモリなど)を消耗させ、正規のユーザーにサービスを提供するためのリソースが不足してしまうことがあります。これにより、サービスの品質が低下し、正規のユーザーが不便を感じる可能性があります。
DDoS攻撃の対策
DDoS攻撃に対する対策としては、以下のようなものがあります。
ネットワークセキュリティの強化
攻撃対象のサーバーのネットワークセキュリティを強化することで、DDoS攻撃の被害を最小限に抑えることができます。具体的な対策としては、ファイアウォールやIPS(Intrusion Prevention System)などを使用することが挙げられます。
クラウドサービスの利用
クラウドサービスを利用することで、DDoS攻撃のトラフィックを分散させることができます。クラウドサービスは、大規模なネットワークを持っているため、攻撃トラフィックを分散させることができます。
インターネットサービスプロバイダー(ISP)の協力
インターネットサービスプロバイダーは、DDoS攻撃のトラフィックをブロックするために、トラフィックをフィルタリングすることができます。ISPは、DDoS攻撃の流れを監視し、異常なトラフィックをブロックすることができます。
まとめ
DDoS攻撃は、大量のトラフィックを送信することによって、攻撃対象のサーバーを停止させる攻撃です。DDoS攻撃は、ボットネットやゾンビマシンを利用して行われることが多く、被害としては、サービスの停止やデータの漏洩、リソースの浪費などが挙げられます。DDoS攻撃に対する対策としては、ネットワークセキュリティの強化やクラウドサービスの利用、ISPの協力などです。企業や組織は、DDoS攻撃に対するリスクを認識し、適切な対策を講じることが重要です。
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