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複利は人類最高の発明?絶対に知るべき複利について詳しく解説します

複利とは、元本に加えて利息もまた利息を生むことで、利息の利息が積み重なり元本が膨らんでいく現象のことを指します。複利は、単利と比べて利息の増加速度が速いため、長期間にわたって運用する場合には有利となります。今回は、複利について解説します。

複利の歴史

複利の歴史は非常に古く、古代から存在していました。複利の原理は、元本に加えて、利息も利息に加算していくというもので、この原理は現在でも金融の基本原理として用いられています。

最初に複利が使われたのは、紀元前2000年ごろの古代メソポタミアで、商人たちが貸し付けを行っていた際に利息を加算することで複利が発生していました。その後、古代エジプトでも複利が使われるようになり、借金の利息が月ごとに加算されることで複利が生じていました。

中世ヨーロッパでも複利が使われるようになり、14世紀ごろから利息が年利5%~10%という水準で設定されていました。しかし、当時のキリスト教では利息は罪悪とされていたため、貸し付けを行うこと自体が禁じられていたこともありました。

16世紀になると、イタリアの商人たちが貸し付けを行うことによって巨額の利益を上げたことが話題になり、各国でも貸し付けが解禁されるようになりました。そして、17世紀にはオランダで国債が発行され、これによって複利の原理を利用した投資が広がるようになりました。

19世紀に入ると、銀行が普及し、預金にも複利が適用されるようになりました。また、アメリカの投資家ジョン・ロックフェラーが複利の力を最大限に活用することで巨万の富を築いたことが話題となり、複利の力を知る人々が増えました。

現在では、複利の原理が金融商品の基本原理として用いられており、投資や預貯金などに広く利用されています。また、複利の計算方法は電子計算機の普及によって簡単に行うことができるようになり、より効率的な運用が可能になっています。

複利の計算方法

【複利の利息額=元本×(1+年利率)の期間】

たとえば、1年間に5%の年利で1万円を預ける場合を考えます。この場合、元本は1万円、年利率は5%、期間は1年となります。これらの値を式に代入すると、以下のようになります。

【複利の利息額=1万円×(1+0.05)の1=500円】

このように、複利の利息額は元本に加えて、利息も利息を生み出すため、年利率や期間に応じて急速に膨らんでいくことがわかります。

複利の利点

複利の最大の利点は、元本が増えることであり、以下に詳しく解説します。

  • 長期的な運用に有利:複利は、単利に比べて利息の膨らみが早いため、長期的な運用には有利です。たとえば、1万円を10年間預ける場合、年利率が5%の場合、複利では1万円が1.63倍の16,289円になりますが、単利では1.5倍の15,000円にしかなりません。このように、複利は元本の増加速度が速く、長期的な運用に適していると言えます。
  • 運用による利益が高い:複利は、元本に加えて、利息も利息を生み出すため、利息額が膨らんでいくことから、運用による利益が高くなります。たとえば、1万円を1年間預けた場合、年利率が5%の場合、複利では元本に加えて500円の利息が発生しますが、単利では元本に加えて500円の利息しか発生しません。このように、複利は元本が膨らみやすく、運用による利益が高くなるため、投資や預貯金に適していると言えます。
  • 利息の膨らみにより利回りが高くなる:複利は利息の利息を生み出すため、長期的にみると利息が膨らみ利回りが高くなります。たとえば、年利率が5%で10年間預けた場合、元本が1.63倍に増えます。この場合、実質的な利率は約8%になるため、長期的には高い利回りが期待できます。

複利の例

複利の例として、以下のようなケースを考えてみます。

たとえば、1万円を10年間預ける場合を考えます。年利率が5%の場合、複利では元本が1.63倍に増え、利息は6,289円発生します。一方、単利では元本が1.5倍に増え、利息は5,000円にしかなりません。このように、複利は長期的にみると元本の増加速度が速く、利息も増えるため、運用による利益が高くなります。

複利の重要性

複利は、長期的な運用に有利であり、運用による利益が高くなるため、投資や預貯金に適しています。また、複利は、利息の利息を生み出すため、長期的にみると利率が高くなるため、投資の際には複利の効果を考慮することが重要です。

複利の注意点

複利には注意点もあります。以下に詳しく説明します。

  • 元本を下回る場合もある:複利は元本が増えることが利点であるが、逆に元本を下回る場合もあります。たとえば、元本が100万円で、年利率が5%の場合、10年後には元本が162万円になるが、10年間に渡って5%の年利で借金をした場合は、元本が100万円から162万円に増えたとしても、10年後には借金をした分を差し引いた金額しか手元に残らないため、元本を下回ってしまいます。このような場合は、運用する資金や利息の支払いを考慮して、十分に計算する必要があります。
  • 金利の変動による影響:複利は金利が一定である場合に有効ですが、金利が変動する場合には影響があります。たとえば、預金金利が下がると、利息が減少するため、複利による利益も減少します。そのため、金利変動に対応した運用計画が必要です。
  • 過剰な期待によるリスク:複利によって運用利益が高くなるため、過剰な期待によるリスクがあります。たとえば、高い利率を謳っている投資商品に投資すると、投資金額や利息の支払いを担保とする不動産や株式などの資産価値が低下した場合、元本を失うリスクがあります。そのため、投資商品の信頼性やリスクを十分に調べた上で、運用することが重要です。

まとめ

複利は元本の膨らみやすさ、長期的な利回りの高さなどの利点があり、投資や預貯金に適しています。しかし、元本を下回る場合がある、金利の変動に影響される、過剰な期待によるリスクがあるといった注意点があります。複利を利用する際には、適切な運用計画を立て、注意点を把握することが重要です。

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