IT

LANって何?LANの概要やセキュリティリスク、対策について詳しく解説します

LANは、複数のコンピュータを接続し、データやリソースを共有するためのネットワークです。社内ネットワークや学校の教室など、身近な場所でよく使用されています。しかし、LAN上での通信にはセキュリティに関する問題があります。今回は、LANの概要からセキュリティに関する対策までを解説します。

LANとは

LAN(Local Area Network)とは、限られた範囲内にある複数のコンピュータやネットワーク機器を接続して、データ通信を行うネットワークのことです。例えば、オフィスや学校、家庭内などで使用されるネットワークがLANに当たります。LANは、高速なデータ転送が可能で、複数のコンピュータや機器が接続されているため、共有リソースの利用やファイル共有、グループウェアの活用など、効率的な業務やコミュニケーションを実現することができます。

LANの構成要素

LANは、複数のコンピュータや機器が接続されて構成されています。LANの主な構成要素は以下の通りです。

  • ハブやスイッチ:複数のコンピュータや機器を接続するための機器で、データの送受信を管理します。ハブは、受信したデータを接続されている全ての端末に送信するため、データの重複や競合が発生しやすいです。一方、スイッチは、送信元と宛先の情報を基にデータを転送するため、データの重複や競合を抑えることができます。
  • ルータ:異なるLANを接続するための機器で、インターネットとの接続にも使用されます。複数のLANを接続する場合、IPアドレスなどを割り当てる必要があるため、ルータは、LAN同士を接続するための役割を担います。
  • ネットワークケーブル:コンピュータや機器を接続するためのケーブルで、主に「イーサネットケーブル」と呼ばれるものが使用されます。イーサネットケーブルには、直接接続する「ストレートケーブル」と、ハブやスイッチを介して接続する「クロスオーバーケーブル」があります。
  • ネットワークインターフェースカード(NIC):コンピュータに搭載される、ネットワーク接続用のカードです。NICは、ネットワークケーブルを接続し、LAN上での通信を行います。

LANの利点

LANの主な利点は以下の通りです。

  • 共有リソースの利用:複数のコンピュータや機器が接続されているため、プリンターやストレージデバイスなどの共有リソースを利用することができます。例えば、オフィスの複数のコンピュータで1つのプリンターを共有することで、コストを削減することができます。
  • ファイル共有:LAN上でファイルを共有することで、情報共有が容易になります。例えば、複数のユーザーが同じファイルにアクセスし、編集や更新を行うことができます。
  • グループウェアの活用:グループウェアとは、複数のユーザーが情報共有やコラボレーションを行うためのソフトウェアです。LAN上でグループウェアを活用することで、効率的な業務やコミュニケーションを実現することができます。
  • セキュリティの向上:LAN上で通信を行う場合、通信内容を暗号化したり、アクセス権限を制御することで、セキュリティを強化することができます。
  • ネットワーク管理の容易化:LAN上で複数のコンピュータや機器を管理する場合、ネットワーク管理ソフトウェアを使用することで、一元的に管理することができます。また、トラブル発生時にも、ログの解析や診断が容易になります。

LANの種類

LANには、以下のような種類があります。

  • イーサネット:LANの代表的な種類で、10Mbpsや100Mbps、1000Mbpsなどの速度で通信を行います。イーサネットは、ストレートケーブルやクロスオーバーケーブルを使用して接続します。
  • ファイバーチャネル:光ファイバーを使用した高速なデータ転送が可能なLANです。主にデータセンターなどで使用されます。
  • トークンリング:コンピュータ同士がトークンと呼ばれる通信権を持ち、順番に通信を行うLANです。イーサネットに比べて安定した通信が可能ですが、専用のハードウェアが必要となります。
  • ワイヤレスLAN:有線のLANに対して、無線で通信を行うLANです。Wi-Fiが代表的な技術となります。ワイヤレスLANは、有線LANに比べて自由度が高く、設置が容易ですが、信号干渉やセキュリティの問題があります。

LANのセキュリティ

LAN上で通信を行う場合、セキュリティが重要な問題となります。LANのセキュリティに対する主な脅威は、以下の通りです。

  • 盗聴:LAN上で通信を行う場合、通信内容が盗聴される可能性があります。例えば、Wi-Fiの場合、周囲の人がネットワークにアクセスできる状態であれば、通信内容が盗聴される可能性があります。
  • 改ざん:LAN上で通信を行う場合、通信内容が改ざんされる可能性があります。例えば、メールやWebページの内容が改ざんされ、悪意のある情報が送信される可能性があります。
  • マルウェア:LAN上で接続されたコンピュータに、マルウェアが侵入する可能性があります。マルウェアに感染したコンピュータは、他のコンピュータにも感染を広げることがあります。

LANのセキュリティを強化するためには、以下のような対策が必要となります。

  • パスワードの設定:LANに接続する機器やアカウントには、強固なパスワードを設定することが必要です。また、定期的にパスワードを変更することも重要です。
  • 暗号化の利用:LAN上で通信を行う場合、暗号化を利用することで、通信内容を保護することができます。例えば、SSL/TLSを利用することで、Webページの通信を暗号化することができます。
  • アクセス制限の設定:LAN上で共有リソースを利用する場合、アクセス制限を設定することで、不正なアクセスを防止することができます。例えば、ファイル共有の場合、アクセス権限を制御することが重要です。
  • セキュリティソフトの利用:LANに接続されたコンピュータには、ウイルス対策ソフトやファイアウォールなどのセキュリティソフトを導入することが必要です。これらのソフトウェアは、マルウェアや不正アクセスを検知し、防止することができます。
  • ネットワークセグメンテーション:ネットワークセグメンテーションは、LANを複数のセグメントに分割することで、LAN内のセキュリティを強化する手段の一つです。例えば、社内LANと来客用LANを分けることで、外部からの攻撃を防止することができます。
  • バックアップの実施:LAN上で共有しているデータやシステムのバックアップを定期的に実施することで、万が一の際にデータを復旧することができます。

まとめ

LANは、複数のコンピュータを接続し、データやリソースを共有するためのネットワークです。有線LANとワイヤレスLANの2種類があり、それぞれ特徴が異なります。LAN上で通信を行う場合、セキュリティに注意が必要であり、パスワードの設定や暗号化の利用、アクセス制限の設定、セキュリティソフトの利用、ネットワークセグメンテーション、バックアップの実施など、さまざまな対策が必要となります。

↓ オススメ記事 ↓

グラフィックボードって何?わかりやすく解説します

PCのメモリってどんなもの?機能や種類について詳しく解説します

AndroidとiOSを選択する基準とは?違いについてわかりやすく解説します

-IT
-