
SDGsとは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称で、2015年に国連加盟国193か国が採択した、2030年までの持続可能な開発のための17の目標です。SDGsは、持続可能な開発の三つの次元(経済、社会、環境)をバランス良く取り込んだ目標であり、貧困や格差の解消、気候変動対策、エネルギーの安定供給、海洋保全、平和や公正な社会の実現など、多岐にわたる課題に取り組むことを目指しています。
SDGsの目標と進捗状況
SDGsには、以下の17の目標が掲げられています。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロにしよう
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられる街づくりを
- つくる責任、つかう責任
- 地球上のすべての生命を守ろう
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべてに
- パートナーシップで目標を達成しよう
2021年には、SDGsの達成状況を把握するための「持続可能な開発のための世界指標2021」が発表され、以下のような進捗状況が報告されています。
・貧困率の低下に向けた取り組みは進んでいるが、COVID-19パンデミックの影響により進捗が遅れている。
・飢餓対策に関しては、COVID-19パンデミックの影響により逆転現象が発生しており、進捗が遅れている。
・全世界人口の56%が安全な水の利用ができているものの、依然として約30億人が安全な水の利用ができていない。また、トイレの利用ができる人口は増加しているものの、依然として17億人がトイレの利用ができていない。 ・クリーンエネルギーの利用が増加しているものの、世界のエネルギー需要は増加し続けており、気候変動対策における取り組みが不十分である。
・経済成長に伴い、雇用が増加しているものの、職場での差別や賃金格差が依然として問題となっている。
・技術革新や産業の発展が進む中、開発途上国においては技術や産業の基盤整備が不十分であり、不平等が拡大している。
・都市化が進む中、住民の福祉や災害対策が不十分であり、持続可能な都市開発に向けた取り組みが必要である。
・消費や生産に関する意識が高まっているものの、持続可能な消費と生産に向けた取り組みが不十分であり、資源の過剰消費や廃棄が問題となっている。
・気候変動による影響が深刻化しており、温室効果ガスの排出量の削減に向けた取り組みが必要である。
・海洋や陸地の生態系に対する保全に向けた取り組みが必要である。
・平和や人権の尊重が求められる中、紛争や暴力が依然として発生しており、平和構築に向けた取り組みが必要である。
・SDGsの達成に向けたパートナーシップが必要であり、国内外の関係者が協力し、目標達成に向けた取り組みを進めることが求められている。
SDGsの取り組み
SDGsの達成に向けて、国連加盟国は政策決定や取り組みの推進を行っています。具体的には、SDGsの目標に沿った政策やプログラムの策定や、国内外の関係者との協力強化、SDGsに関する情報の共有・発信、モニタリング・評価体制の整備などが行われています。
また、企業や市民社会団体などもSDGsに向けた取り組みを行っています。企業においては、社会的責任(CSR)やESG投資(環境・社会・ガバナンスに配慮した投資)が注目されており、SDGsの目標に沿った取り組みを行っている企業も増えています。市民社会団体においても、SDGsの目標に沿ったプロジェクトや活動が行われています。
SDGsの達成に向けた取り組みにおいて、国際協力も重要な役割を果たしています。先進国が開発途上国に対して技術移転や資金援助を行うことで、開発途上国におけるSDGs達成の支援を行っています。また、国際機関やNGOなどもSDGsに向けた支援を行っており、地球規模の課題に対して国境を越えた協力が必要とされています。
SDGsの達成に向けた課題
SDGsの達成に向けた取り組みにおいて、以下のような課題が存在しています。
・SDGsに関する認知度の低さ:SDGsに関する知識や情報が不足しているため、達成に向けた取り組みが進まないという課題があります。
・資金面の課題:SDGsの達成には多額の資金が必要であり、資金面の課題が存在しています。
・政治的な課題:国際的な紛争や政治的な対立がSDGsの達成に影響を与えることがあります。
・人権問題の解決:SDGsの達成には、人権問題の解決が必要とされています。特に、ジェンダー平等や障がい者の権利の保障などが課題となっています。
・持続可能な消費と生産の実現:持続可能な消費と生産に向けた取り組みが不十分であり、過剰消費や廃棄が問題となっています。
・気候変動の影響への対応:気候変動による影響が深刻化しているため、SDGsの達成に向けた取り組みが急がれています。
SDGsの達成に向けた課題への取り組み
これらの課題に対して、国際社会が協力し、取り組みを進めていく必要があります。そのためには、以下のような取り組みが必要とされています。
・SDGsに関する情報の共有・発信:SDGsに関する情報を広く共有することで、認知度の向上や取り組みの推進を進めることが必要とされています。
・国内外の連携:SDGsの達成には、国内外の連携が不可欠です。政府、企業、市民社会団体などの連携を強化することで、より効果的な取り組みを進めることができます。
・資金調達の拡充:SDGsの達成には、資金が必要です。政府や企業などがSDGsに対する資金援助を行うことで、達成に向けた取り組みを進めることができます。
・持続可能な開発モデルの構築:持続可能な開発モデルを構築することで、SDGsの達成に向けた取り組みを進めることができます。そのためには、社会や環境への配慮を考慮したビジネスモデルの確立や、再生可能エネルギーなどの新たな技術の導入が必要とされています。
・人権問題の解決:SDGsの達成には、人権問題の解決が必要です。特に、ジェンダー平等や障がい者の権利の保障などが課題となっています。国際社会が人権問題に対する取り組みを強化することで、SDGsの達成に向けた取り組みを進めることができます。
・気候変動対策の推進:気候変動による影響は、SDGsの達成に影響を与えることがあります。そのため、国際社会が温室効果ガスの排出削減などの気候変動対策を進めることが必要とされています。
まとめ
SDGsは、2030年までに持続可能な開発を目指す国際的な枠組みです。世界各国が協力して、貧困や格差、環境問題などを解決し、持続可能な社会の実現を目指しています。そのためには、政府、企業、市民社会団体などが協力し、多様な取り組みを進めることが必要です。
SDGsは、2030年までの10年間を切迫した期限として掲げています。これまでの進捗状況は、課題が残されているものの、一定の成果が出ています。しかし、SDGsの達成に向けた取り組みを加速させることが求められています。そのためには、国内外の連携や資金調達の拡充、持続可能な開発モデルの構築などが必要とされています。
SDGsは、誰一人取り残さない世界を目指すものであり、私たちが暮らす地球の未来を担う重要な課題です。今後も、国内外での取り組みが進められ、SDGsの達成に向けた取り組みが加速していくことを期待しています。
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